当院症例集〜ホワイトニング・審美歯科〜

症例1 ホワイトニング
25歳 女性(非喫煙者)
主訴:歯を白くしたい。

≪治療経過≫

  1. 入念に歯のクリーニングを行う。
  2. 上下のホームブリーチングを二週間行う。
  3. 医院にて、下の前歯のみオフィスブリーチを行う。
  4. かなり白くなり、患者さんは満足されています。今後も継続的にホワイトニングを希望されています。
 
≪術前≫
使用したキット
≪術後≫
右:ホームブリーチ
左:オフィスブリーチ
クイックジェット
(歯のクリーニング器材)
プラズマ照射器
(オフィスブリーチで使用)

 

症例2 上顎のオフィスブリーチング(左上の3番〜右上3番)
30代男性(非喫煙者)
主訴:ホワイトニングをしたい
≪治療経過≫
  1. 入念に歯のクリーニングを行う。
  2. 歯茎に薬液がつかないようワセリンを塗布し漂白する歯にラバーダムを装着する。
  3. 漂白剤を歯に塗布し、プラズマ照射を行う。
  4. 白くなった漂白剤を除去し、歯をクリーニングし完了。

オフィスブリーチング・・・院内で一日で行うホワイトニング
≪術前≫
≪術後≫



症例3 上下のホームブリーチング(上下左右の3番〜3番)
20代男性(非喫煙者)
主訴:ホワイトニングをしたい
≪治療経過≫
  1. 入念に歯のクリーニングを行い、上下ホワイトニング用のマウスピースの型とりをする。
  2. 2週間、1日2時間、ホワイトニングの薬液を塗布した専用のマウスピースを装着してもらう。(この間、色の強いものはさけてもらう。)
  3. 術前に比べて、術後かなり歯の色が白くなっているのが確認できる。
 (注ーホームブリーチには、個人差があります。)
≪術前≫
≪術後≫



症例4 上下のオフィスブリーチング+ホームブリーチング(上下左右の3番〜3番)
30代女性(非喫煙者)
主訴:ホワイトニングをしたい
≪術前≫
≪術後≫





症例5
 審美外科(歯冠延長術)
60代女性
主訴:保険の材質で前歯を綺麗にしたい。

≪治療経過≫
1.左上の糸切り歯が腫れて、保険治療の範囲では保存不可能なため、抜歯しました。
2.左上の1番のみ、土台の周りが虫歯のため、根っこの治療と土台をやり直ししました。
3.右上1,2 左上2、4、5の以前の根っこの治療、土台のデザインはほぼ完璧です。20年前に市内の某歯科医院で行った治療とのことです。私が歯科医になりたてのころ、面識はありませんが、感心した先生のひとりです。歯科医の実力は、レントゲン写真でわかります。よけいな治療をしなくていいので、できる先生の再治療は本当にやりやすかったです。
4。生物学的フクケイ確保のため、審美外科(AFP)を行いました。これにより、歯茎がかたくなり歯の周りの歯茎がやせにくくなり、かみあわせのきついのが解消され、ある程度永続性のある修復物の装着ができました。(咬合様式は、グループファンクション。ナイトガード装着)
5.保険の材質のため、以前ほどではないですが色はいずれ変色してきます。真面目に通院され、時間的制約を受けない患者さんはある程度保険の範囲できれいなものがいれられます。しかし、いずれ変色し、やりかえる場合何度も歯をけずらなくてはいけないので、歯にとってよくありません。経済的に問題がなければ、長い目で見た場合、自費の材質(セラミック)にしたほうがよいかと思います。

 
≪術前≫
≪術直後≫
≪1ヵ月後≫
≪修復物装着後≫
 
≪術前レントゲン≫
 
10年後(変色、摩耗を認める)
≪修復物適合確認レントゲン≫




症例6 ポーセレンラミネートベニア (左下3番から右下3番)
50代女性
主訴:見栄え良くものが噛めるようになりたい。
≪術前≫
≪術後≫
術後6年
術後9年
ラミネートベニア法
ラミネートベニア法・・・・

   歯の色を白くしたり、歯と歯の隙間を改善したり、
   歯の形を部分的に整えるために歯の表面を一層削除し
   セラミック素材によるネイルチップのような付け歯を
    歯に貼り付ける治療方法のことです。



症例7 オールセラミックス(ジルコニアフレーム) (右上の4番〜左上の1番まで)
60代男性
主訴:自費でもよいので、綺麗な前歯を入れたい。
≪術前≫
≪術後≫
術後5年
オールセラミックス・・・人工ダイヤと呼ばれるジルコニア(白い金属)にセラミックを焼き付けたクラウン。天然歯に最も色調が近い材質です。



症例8 メタルボンドセラミックス(陶材焼付け冠) (左下1番)
30代男性
主訴:綺麗な歯を入れたい。
≪装着前≫
≪装着後≫
6年後
内部吸収した前歯
≪装着後の
レントゲン写真≫
メタルポンドセラミックス・・・金属にセラミックを焼き付けたクラウン



症例9 コンポジットレジン(CR)充填 隣接面含む(右上4、5、6番)
20代女性
主訴:虫歯を治したい。
≪施術前≫
≪施術後≫
コンポジットレジン(CR)充填・・・虫歯を削り直接プラスチックを詰めて修復する方法。別にマイクロスコープ下で、形態、色に拘ったわけではありません。1本1000円程度の裸眼の保険内治療です。



症例10 オールセラミックス(ジルコニアフレーム)(右上1番)
20代女性
主訴:右上の前歯の色が気になる。

術前
術後 5年後



症例11 オールセラミックス上4本+上下ホームブリーチ2週間
30代女性(非喫煙者)
主訴:前歯の色が気になる。

術前
術後
4年後



症例12 オベードポンティック+メタルボンドセラミックスブリッジ
50代男性
主訴:動いている右上の前歯にインプラントを入れたい。
注)右上の折れた歯にインプラントをいれることは
たやすいことですが、他の前歯も根管治療が不良でかつ喫煙者でしたので再根管治療後、4本ブリッジを装着しました。この場合本当に患者さんのことを考えればインプラントが最良ではないということです。金額的にはこっちのほうが安いでしょう。また、他の前歯が悪くなる可能性もすくないでしょう。
術前
歯茎にオベード付与
術後



症例13 ジルコニアオールセラミックス2本(左右上1番)
40代女性
主訴:上の前歯をきれいにしたい
術前
術後



症例14 上下デュラルブリーチング(オフィス+ホームブリーチ
(上下左右の5番〜5番)

60代女性(非喫煙者)
主訴:天然歯を白くしたい。
術前
術後


症例15 下前歯部ガムピーリング(歯茎の黒ずみ漂白)
20代男性
主訴:下の前歯の黒ずみが気になる

注)麻酔下で、一回の高出力炭酸ガスレーザーによるメラニン色素の除去です。希望され、もう2〜3回ほど施術すればもっとピンク色に近づきますが、タバコを吸っている限りまた後戻りします。
術前
術後



症例16 ジルコニアクラウン(白い金属の被せ物)
50代女性
主訴:下顎の一番奥歯を白い被せ物にしたい。

注)私は、儲かるから奥歯を白いセラミックにしたいという考えは毛頭ありません。自分のやった仕事が長持ちしてほしい、患者さんにできれば短期間での費用負担をかけたくないという思いから、かみ合わせを金属にする修復物を提案することが多いと思います。しかし、時としてよかれと思ってやったことでも患者さんにしてみれば銀色、金色がストレスだとうったえる方も中にはいます。はっきり申し上げると、広範囲にわたり修復処置が必要な方は、本来のかみ合わせとのズレが必ず多からずあるわけです。その範囲を逸脱すると顎関節症を発症したり、咬合面のセラミックが破損したりという現象が生じます。5年〜10年で広範囲で修復した奥歯のセラミックのチッピング(破損)が生じていない症例をほとんどみたことがありません。希に雑誌にでてくる症例も恐らくマウスピースの着用を強制的に指導しているか、毎月咬合の変化を観察しているかのどちらかでしょう。一般的に非現実的な話です。
ですから、奥歯の場合、咬合面もセラミック系の修復を考えている方は、自分の経済力と相談し、年数的なことも考えて選択したほうがいいですよ。今回、対合歯もインプラントのため、この第二大臼歯にセラミックの修復物を被せると5年未満で破損することは予想できますので、よかれと思って金属の修復物を作製したのですが、みごとに拒否されました。(笑)。そこで、人工ダイヤと呼ばれる白い金属、ジルコニアクラウンを採用することにしました。しかし、この材質は強度的な問題や金属アレルギーの心配はほとんどありませんが、現段階では色が限られていること、対合歯が天然歯だと摩耗しやすいのではないかという欠点があります。自分であれば、白金もしくはゴールド系の金属をいれると思いますが、人それぞれ価値観は違います。



症例17 コンポジットレジン充填(保険)
20代女性
主訴:上の欠けた前歯を治したい。
注)保険治療を希望されましたので、最善案としてこのようにしました。恐らく経年的に色は変色してくるでしょう。別に自費のCRで、レイヤーテクニック(積層充填)を用いたわけでもありません。
術前
術後



症例18 E-MAXオールセラミック(右下犬歯1本)
60代男性

主訴:右下犬歯の虫歯
術前正面観
術後正面観
術前側面観
術後側面観
術前レントゲン写真
術後レントゲン写真



症例19 E-MAXオールセラミック(右上3〜左上2番5本)
50代男性

主訴:上の前歯の審美障害
一見色が変色して、神経が死んでいるように思えますが、電気歯髄診やCT所見から5本ともに生活歯です。今回は、耐久性を考慮して、MTAによる神経保護後オールセラミックを被せました。幸い今のところ歯髄炎症状を訴えることなく、十分に審美性も満たされたと思います。
術前正面観
術後正面観
術前レントゲン写真
セット前適合確認写真



症例20 E-MAX五分の四オールセラミック(左下6番)
40代男性

主訴:金属アレルギーの疑い
皮膚疾患(乾癬)を患っていて、金属アレルギーではないかと心配されて、保険金属をノンメタルにしたいとのことでした。正直奥歯にセラミックはあまり好きではない処置ですが、事情が事情だけに、左下7番の咬合面のアマルガムには保険CR充填を、6番には頬側もカリエスのため、五分の四オールセラミック修復を採用しました。噛み締め傾向がありそうな人なので、日中の自己暗示、ナイトガードの着用は必要かと思われます。
ここで重要なことは、口の中の金属をノンメタルにしても、皮膚疾患が改善しないかもしれないということを事前に言っておく必要はあります。一応、施術前に簡易アレルギー検査(保険金属の破片を汗のかいた腕に1日中貼ってもらう。一番は、皮膚科でのパッチテストが有効です。)を行うようにはいていますが、正確性には欠けるでしょうね。勿論、アトピー等の皮膚疾患がある人は、歯科用金属をノンメタルに換えることは悪いことだと思いませんが、口呼吸、腸内細菌、潔癖すぎる環境も今一度見直したほうがよいのではないかと個人的に思います。

注)左下の7番のCR処置は、自費でのCRというやり方もあります。確かに世の中には、本当にCRで治したかどうかわからないくらいに上手に詰める歯科医が存在するのも事実です。できないものの嫉妬と捉えてもらって結構ですが、誰も口の中を覗く人はいませんし、いずれ摩耗(?)や変色(?)することや施術に時間がかかることを考慮するとどんなもんですかね?。自分であれば、1級の場合、簡易防湿の保険のCR充填で十分です。2級であれば、ゴールドインレーです。勿論、この考え方は変わるかもしれませんがね。



症例21 上下前歯部ガムピーリング(歯茎の黒ずみ漂白)
40代女性
主訴:上下の前歯の黒ずみが気になる

注)歯茎のメラニンによる色素沈着(差し歯の金属溶出によるものではありません。)は、喫煙者、受動喫煙者、口呼吸する人によく認められます。一般的な漂白方法として、レーザー照射によるものと薬液によるものがあります。後者はやったことがないのでなんとも言えませんが、特にメラニンなどの漂白には、黒に反応するネオジウムヤグレーザーが一番施術回数が少なく効果的ではないかと思います。しかし、浸透性が高く使用に慎重を要すため、歯科においては浸透性の低い水分吸収性の高い炭酸ガズレーザーの方がトラブルが少ないのではないでしょうか?そこで、矯正後、ガムピーリングを希望されましたので、やることにしました。高出力の炭酸ガスレーザーを使用し、幸い3回の施術で綺麗なピンク色に戻すことができました。しかし、喫煙者はまた後戻りする可能性があることを頭にいれておく必要があります。因みに私も幼少期から歯茎が黒ずんでいます。恐らく父親が喫煙者だったことと、アレルギー性鼻炎を患っていたことが原因ではないかと思っています。別に審美性は気にしていませんので、ピーリングは考えていませんが、見た目が気になる人はまず禁煙しましょう。あと差し歯からの金属溶出によるものや歯茎が薄く薄紫色にみえる場合は、一般的に歯茎の移植が適応となります。



症例22 オールセラミックス(ジルコニアフレーム)(左上1、2番)
40代女性
主訴:左上の前歯の色と隙が気になる。


治療手順
1.再根管治療+ファイバーコア
2.歯周病治療(SRP)
3.炭酸ガスレーザーによる上唇小帯切除術
4.ジルコニアオールセラミック装着
5.適切な歯磨き指導、メンテナンス
術前
術後1 術後2


症例23 オールセラミックス(ジルコニアフレーム)
      +デュラルブリーチ

30代女性
主訴:前歯の色を白くしたい。


術前
術後



症例24 オールセラミックス(E-MAX)(右上1、2左上1番)
30代女性
主訴:上の前歯の色を天然歯の色に合わせたい。

術前
術後1 術後2



症例25 オベイドポンティック+メタルボンドセラミックブリッジ
         (右上3〜左上3番6本)
50代女性
主訴:上の前歯の根の先が
化膿した。
注)上の前歯で、1本歯がないところがあります。わかります?
仮歯
セット直後
2年後



症例26 上ホームホワイトニング(右上3〜左上3番6本)
30代男性(非喫煙者)
主訴:上の天然歯を白くしたい。
注)
ホワイトニングをするに当たって注意すべき事項があります。以下に記します。
1.被せもののホワイトニングはできない。
2.神経のある歯で虫歯が存在する場合、ホワイトニングの薬液の影響で、知覚過敏や歯髄炎を起こすリスクがあるため、ホワイトニングの前に、虫歯治療を優先する必要がある。
3・適切な神経の処理をされていない歯の場合、将来ホワイトニングにより歯根に問題が生じる可能性が高い。(当医院では、いろいろなリスクを考慮し、信頼関係のある患者さん以外、失活歯のホワイトニングは行っていません。)
4・噛み締めぐせ(TCH)のある人は、薬液により知覚過敏を起こしやすい。
5.無カタラーゼ症の人は禁忌です。妊婦への使用も安全性が確立されていない。
6.テトラサイクリン系薬剤による変色歯のホワイトニングは、効果が得にくい。または得られない。
7.エナメルの薄い人は、効果が得にくいまた薬液により知覚過敏を起こしやすい。
8.効果は永続性ではないこと。
9.歯の構造や嗜好品(タバコ、コーヒー、ワイン、カレー)により、効果や後戻りは個人差がある。
10.自費施術です。費用は料金表のとおりです。

といったところでしょうか。私は基本的に機能や自然美を求める歯科医なので、個人的にはホワイトニングには興味がありません。また、ホワイトニングのためにコーヒーは止めれません。美意識は低いかもしれません。笑
確かに白い歯は清潔感や自信をもたらしてくれるかもしれませんが、手間を省いては(虫歯治療をしないとか、色のつくものを好むとか、日々の歯磨きをしないとか、継続的なクリーニングをしないとか)、いい結果を招くことがないことは理解しておきましょう。

術前
クリーニング後
術後


症例27 ソケットプリザベーション+オベイドポンティック
+ジルコニアオールセラミックブリッジ
(右上2〜左上2番4本)
40代男性

主訴:過去に外傷の既往のある上の前歯がグラグラする。

治療手順
1.抜歯適応の前歯2本を根っこだけの状態にしてソケットプリザベーションしない場合の仮歯を装着する。
2.長い歯になることを患者さんが希望されないため、抜歯後、人工骨+コラーゲンを使用したソケットプリザベーションを行い、オベードポンティックを施した仮歯を装着する。
3.さらに歯茎の厚みを増すためさらにコラーゲンの充填を行い、歯茎の成熟を待つ。来院のつど、炭酸ガスレーザー照射も行う。
4.生物学的副径を侵さない程度に左上2番の歯茎を周りの歯の歯頚線に合わせるために電メスで整える。
5.本歯装着終了
注)本当の一流の審美歯科医は、コラーゲンではなく、マイクロスコープ下で上顎から採取した歯茎の移植を行い、歯茎に厚みを持たすでしょう。今回は私の技量、患者さんの負担や失敗リスクを考慮して、比較的安全な方法を選択しました。
術前
ソケットプリザベーション
しない場合の
予想仮歯
本歯装着後


症例28 上下前歯部ガムピーリング(歯茎の黒ずみ漂白)
20代女性
主訴:上下の前歯の黒ずみが気になる

注)上下のメラニン色素沈着による黒墨の改善を主訴に来院されました。かなり口腔内に対して認識が高いこと(カリエスフリー、良好な歯並び、歯石なし。)が、会話をせずとも口の中をみればわかります。笑。こういうタイプの方は、医院で歯磨きの指導とか継続的な4ヶ月に1回の定期検診を行う必要はあまりないと思います。まめに歯医者にかからない方が、いろいろな面において寧ろ良いかもしれません。笑。親知らず、不慮の外傷、食生活の乱れ(炭酸の多量摂取)、妊娠出産時、全身状態にさえ注意さえすれば、今後歯で苦しむことが少ないように個人的に思います。何か歯を守るコツを掴んでいるということでしょうね。勿論、幼少期からの親御さんの歯に対する認識が高かったということも一因でしょう。個人的に今の口の中の価値は、一億以上いやそれ以上だと思います。そこで、さらに口腔内の価値を高めるため、2回のハード炭酸ガスレーザーによるピーリングを行いことにしました。原因はなんでしょう?非喫煙者なので口呼吸か受動喫煙しか思い当たりませんが、そうでなければ、刺激物(香辛料など)などの嗜好品の影響でしょうかね。何はともあれ、もう1,2回すればいいのかもしれませんが、患者さんの希望ぐらいにはブリーチできました。あとは、近隣の歯科医院で、1〜2年くらいのターンで歯周病予防してもらうといいでしょう。レントゲンは撮ってないので、親知らずはどうだか分かりませんがね。
術前
施術直後
術後2週間


症例29 コンポジットレジン充填
10歳女性
主訴:外傷で欠けた部分を治したい。

注)できれば、やりたくないもしくは避けたい処置の一つです。理由は、1.予約制を謳っている医院で緊急性のある処置をしなければいけないこと。2.判断、処置の仕方によって、その歯の命運が変わってくること。3.親御さんへの処置の説明に時間を要すること。4.保険外の材料(MTA、エムドゲインなど)を使用するかどうか瞬時にこちらが判断しなければいけないこと。また、希望されるかどかわからないことなどが挙げられます。ではなぜ、今回受け入れたかと言いますと、わざわざ2つの市を跨いで、4ヶ月に一回必ず予防処置で来られる親御さんだったからです。もし一見さんの場合、他の予約患者さんに迷惑をかけるわけですし、また、初めての場合どういうタイプの親御さん、お子さんかわからないので予期せぬ偶発症(ショック、誤飲)を招きいれる可能性もありますので、基本的にお断りしています。高次機関にいくことをお勧めします。一人しか歯科医が常駐していない歯科医院で、リスクになりそうなことをやらないという判断も時として必要なことなのです.。異論はあると思いますがね。
ところで今回の場合、鉄棒で前歯をぶつけて欠けたとのことでした。瞬時に5つのことを考える必要があります。1.歯の神経がバイタルかどうか、2、神経が見えていないかどうか、3.歯にヒビが入っているかどうか、4.歯が脱臼してないかどうか、5.欠けた歯片を使用するかどうかなどです。問診、マイクロ視診、CT検査が重要となります。幸い今回の場合、外傷処置としては、神経を保存し欠けたところをプラスチックで補修するだけの簡単な部類でした。しかし、もし今後、歯の色が全体に変色してきたり、根の先の部分の歯茎が腫れてきたりする場合、残念ですが神経の処置が必要になってくることは説明しておく必要があります。
外傷は予期せぬものです。重症の場合、処置する人によって予後に明暗がでます。そのため、かかりつけの歯科医にもしものときに対応できるかどうかを事前に聞いておくことも賢明なことかもしれません。愛知県にこの分野(外傷、歯の移植)において、阪大出の有名な先生がいます。その先生の受講生であれば、恐らく大丈夫なはずでしょう。ネットで検索することをお薦めします。
後、かかりつけ医としは失格ですね。プラコンがイマイチです。しかし、幸いこの子、下顎前歯部にもう歯石が付くくらい再石灰化機能が良いので、別にフッ素塗布しなくても虫歯にはなりにくいかもしれませんね。
外傷時
施術後



症例30 オールセラミックス(EーMAX)(右上1番)
70代女性
主訴:右上の前歯の色が気になる。

術前
術直後
2年後



症例31 カラーレスメタルボンドセラミックス(右上2番、左上2,3番)
40代女性
主訴:上の前歯の虫歯が気になる

仮歯
セット時



症例32 審美外科+オールセラミックス(E-MAX)
(右上1、2左上1、2番の4本)
40代女性
主訴:上の被せものを白くしたい。


手順
1.上前歯4本再根管治療
2.歯頚線を整える+歯茎の厚みを持たせるための審美外科(歯肉弁根尖側移動術)
3.単冠処理のオールセラミック装着
4.メンテナンスに移行
注)審美外科、審美補綴という言葉は、実は嫌いな用語の一つです。機能整形という言葉の方が、私にはしっくりきます。
術前
術後

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