2008.4月

親知らずの移植とインプラント3本埋入
50代女性
≪術前≫

≪CT解析≫
≪術後≫
≪治療経過≫

8月末にものを咬めるようにして欲しいとのことで、当医院を受診されました。いろいろ相談した結果、予後の不良な歯を抜歯してインプラントによる固定性の修復を望まれました。CT解析を行った結果、上顎全体的に骨質が柔らかく、骨幅、骨長が不足しているのが推測できます。そのため今回は、HAインプラントの使用すること。ドリルを使用せず、オーギュメーター、スプリットコントロール、オステオトームによるインプラント穴を形成すること。抜糸後に骨密度を高めるための超音波機器を使用してもらうこと。人工骨、メンブレンを使用すること。仮インプラントの使用が不可能なこと。の五点を患者さんに事前にお話し了解を得ました。土曜にOPEを行いましたが、上下共に本当に骨質が柔らかく、初期固定を得るのが大変でした。トルク値は20ニュートンぐらいでした。右上3,4部には、グラフター、ボーンコレクターで採取した骨と人工骨(セラタイト)をブレンドしたものを補填し、吸収性メンブレンで覆いGBRを行いました。本日、消毒で受診され、内出血、腫れは認められましたが、メンブレンの露出もなく、鼻血がでることもなく、痛みもなく経過は順調です。右上5,6部にソッケトリフトを行っているので、シュナイダー膜を損傷している場合、息もれや鼻血がでることがあります。いまのところサイナスリフト、ソケットリフトを何症例も行っていますが、経験したことがありません。最近では、患者さんの肉体的、経済的負担や後上歯槽動脈損傷の可能性があるため、サイナスリフトも行っていません。私が、洞底までの距離がないときに行っている方法は、あるインプラントの使用によるHSCテクニックです。今確実にサイナスリフトを行うとしたら、歯科用CTによる診断(後上歯槽動脈の走行、粘液のうほうの有無、隔壁の有無、ウインドウ皮質骨の厚み、シュナイダー膜の厚みなど)、ピエゾの使用は、不可欠だと考えています。もしパノラマ写真だけで、サイナスリフトを行っている先生がいるとすれば、おそろしさを感じます。



2008.11.29

親知らずの移植とインプラント3本埋入
80代女性
≪術前≫
≪術後≫
≪治療経過≫
上の前歯の不調を訴え、10月上旬に市内より来医院されました。以前に下の義歯用のミニインプラントをさせていただいた患者さんです。上も、出し入れする義歯でもいいのですが、落ちなくて、前歯でもかめ、違和感が少なくなるように望まれたため、インプラント4本を固定源にする義歯の安定を提案しました。患者さんは、下のようにミニインプラントの方法ができないかといわれましたが、骨がやわらかい上顎では、適用外になります。
あくまで、ミニインプラントは、下顎のオトガイ間に4本埋入するのが原則です。
そういうことで、まず通常のインプラント埋入のためのCT解析を行いました。CT解析でわかったことですが、骨幅、骨長は十分存在するのですが、骨密度が低いです。そのため、フラップレス(歯茎を開いて骨を露出させないこと)で太いドリルを使わず、SC(スプリットコントロール)、OAM(オーギュメーター)、オステオトームでインプラントの穴を形成し、ダブルスレッドの1回法インプラントを平行に4本埋入しました。患者さんは、術後痛みも少なく、腫れもせず、非常に喜ばれていましたが、年齢的にも技術的にも非常に神経を使った症例でした。
そろそろ、当医院でも上顎の本数の多い症例に対して、来年度より完全CTシュミレーション移行システム(サージガイドシステム)を導入しようと考えています。これにより、より簡単正確に、より身体的負担軽減で、より短時間でインプラント治療が行うことができるしょう。



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