今月の症例集 2009.1


2009.1.21

親知らずの移植とインプラント3本埋入
60代女性
≪治療経過≫
4ヵ月前に右上の奥歯(5,6番)が痛くて受診させました。一見レントゲン写真だけをみると、歯周病と根尖病変の混合型の所見に思えますが、実は根っこがハセツしています。このような場合は、保存療法を行うことは不可能です。その旨を患者さんにお伝えしたところ、インプラントを行ってほしいということになりました。過去に蓄膿症の手術の既往がありましたので、CTで確認したところ、右上の上顎洞粘膜がかなり肥厚していました。ハセツした歯根が原因だと思い抜歯後2ヶ月してから、再度CTで確認しましたが、上顎洞粘膜の肥厚の消失は認めませんでしたので鼻性由来の可能性が高いです。そのため、上顎洞とは関係のないところに1本インプラントを植え、奥の天然の歯とブリッジにする計画をたてました。7番を抜歯しそこにインプラントを植えるという方法もありますが、しっかりした歯を抜歯するのは抵抗があります。本来、インプラントと天然の歯を連結するのはあまり好ましいことではありませんが、患者さんと相談した結果、右上に1本インプラントを埋入することになりました。抜歯時にソケットプリザベーションを行っていましたので、簡単にフラップ下で埋入することができました。続いて左下4番目の歯根も割れていたため、抜歯後3本インプラントを埋入しました。意図的に抜歯穴はさけて埋入し、抜歯穴にはピエゾで採取した自家骨と骨補填材、コラーゲンを充填しました。腫れはしましたが、痛み、内出血もなく経過は順調です。


術前
≪術前レントゲン≫
≪下顎、3D CT≫
≪パノラミックCT≫
≪上顎、3D CT≫
術後
≪術後レントゲン≫



2009.1.24

親知らずの移植とインプラント3本埋入
50代女性
≪治療経過≫
11月に右上側のインプラントの埋入が終了し、今月左側のインプラントの埋入を行うことになりました。上の前歯は、根っこが短く、土台のデザインも悪く、根尖病変も認められので長期的にみた場合、ホープレスといわざるをえません。そこで、インプラントをスリープさせている間、4本だけ一時的に歯を保存し、仮歯を装着することにしました。インプラントが骨に結合すれば、4本は抜歯し、インプラントだけでフルブリッジを予定しています。
右側同様、左側も骨が柔らかかったため、イニシャルドリルのみ使用し、後はSC、OAMでインプラント穴を形成し、13ミリのインプラントを2番、4番部位に埋入しました。6番部位は、上顎洞底までの距離が6ミリしかなかったため、オステオトーム、OAMによるソケットリフトを行い、10ミリのインプラントを埋入することができました。きれいにドーム状に挙がっていると思います。ドリルを使用しなかったため、1時間ほどかかりましたが、満足のいく初期固定が得られました。
術前
≪術前レントゲン≫
≪術前口腔内写真≫
術後
≪術後レントゲン≫
オステオトームによる
上顎洞の挙上
ソケットリフト後の
レントゲン写真



2009.1.30

親知らずの移植とインプラント3本埋入
60代 男性
≪治療経過≫
4ヵ月前に下の歯が、しみて痛いのでなんとかして欲しいとのことで、当医院を受診されました。下の前歯は、どれも虫歯がひどく神経まで進行しており、いつ歯がおれてもおかしくない状態でした。神経の治療を行い、いざ土台をいれようと虫歯を完全に除去しようとしたところ、根っこだけの状態になりました。
普通に保存する場合は、この状態で土台をたてて、被せもの装着します。しかし、虫歯になりやすく、歯がおれたり、差し歯がとれたりしやすいです。そこで、これらを解消するには歯冠延長術(歯茎をひらき、周りの骨を除去し、相対的に歯を歯茎より上にだす手術のこと)を行う必要があります。(さらに欲をいえば、挺出という矯正も行うのがベストです。)幸い患者さんは時間もありましたので、手術を行い、保険の範囲でかぶせものを装着しました。
この方法は、美容外科処置、歯周病外科処置、挺出した(伸びた)歯を相対的に短くする外科処置、短い歯を相対的に長くする外科処置に用いられます。インプラント治療を行ううえで不可欠な外科処置の1つだと考えています。
術前
術直後
手術から
二週間後
手術から
六週間後



2009.1.31

親知らずの移植とインプラント3本埋入
≪治療経過≫
右上の奥歯にインプラントを行って欲しいとの事で、年末に当医院を受診されました。CT解析を行った結果、糸切り歯に近い側は骨幅がなく、かつ奥歯の部位には骨長が不足し、全体的に骨密度が低いことがわかりました。そこで今回使用するインプラントはテーパー型のダブルスレッドのものを使用することにしました。当然普通には埋入は困難なため、いと工夫必要です。SC(スプリットコントロール)、OT(オステオトーム)を行う前に超音波骨切削器ピエゾを使用しました。これにより、トップからの洞底粘膜ハクリ、骨頂分割が行う事ができ、無理なく3本インプラントを埋入できました。さらに外側性に骨を増加させるため、GBR(人工骨+バイオメンド)も併用しました。十分減張切開を施し、縫合し終了しました。患者さんは、仮歯も望まれたため、仮インプラントを2本埋入し、糸きり歯と連結した仮歯も装着しました。いまのところ裂開もなく経過は順調です。
ところで2月、3月にはサージガイドシステムによる上顎の無歯顎のインプラントの埋入を3ケースほど予定しています。どのようなシステムなのかいずれ報告したいと思います。
術前
術後